2013年7月3日水曜日

『現代詩手帖』7月号「【特集】藤井貞和が問う」 

日本社会が亡霊に取り憑かれている。政治家たちに取り憑く亡霊、企業のmoralを見喪わせる亡霊、御用で学者を誘惑する亡霊、・・・・・・。

こう書き出される藤井貞和さんの巻頭提言「声、言葉――次代へ」から始まり、和合亮一さんと藤井さんとの筆談、若き日々をともに駆け抜けた巌谷國士さんが語る藤井さんの思い出、阿部嘉昭さんによる長篇論考「換喩の転位、転位の換喩」、藤井さんと金時鐘さん倉橋健一さんらによる対談の記録、『東歌篇――異なる声、独吟千句』(2011年9月刊)全文、などなど・・・。
40年以上前から今に至るまで詩と国文学の第一線で活躍し、時事的・政治的課題にアンガージュする藤井貞和さんのアクチュアリティに多面的に迫る特集になっています。
未来へ向けた、新たな読みへの布石として。

私も特集を締めくくる形で「貞和(ていわ)と竹村(ちくそん) ―応ふるに記録映画を以てす」という論考を掲載しております。
藤井さんの福島への旅を記録したドキュメンタリー『反歌・急行東歌篇(はんか・きゅうこうあずまうたへん)』(竹村正人監督)のこと、政治と美学の不可分性、表現にまといつく超越性と内在性の葛藤、などについて11枚あまり書きました。


【増頁特集】藤井貞和が問う
◎巻頭提言
藤井貞和「声、言葉――次代へ」
◎対話
和合亮一+藤井貞和「眼で聴く、耳で視る――筆談」
◎シンポジウム
金時鐘+藤井貞和+細見和之+たかとう匡子+倉橋健一「言葉と現実」
◎特別掲載――東歌篇
藤井貞和「東歌篇――異なる声 独吟千句」
桑原茂夫「注記――東歌篇から引き出されたことの数々」
◎長篇論考
巌谷國士「藤井貞和の思い出――ある種の怪人について」
◎同時代に生きて
高橋悠治、川田順造、鈴木志郎康、佐々木幹郎、兵藤裕己
◎詩集を読む
北川透、吉田文憲、阿部嘉昭、田野倉康一
◎物語・南島・詩
瀬尾育生、高良勉、大橋愛由等、新井高子
◎詩人へ
鈴村和成、小池昌代、藤原安紀子、文月悠光、京谷裕彰

◎長篇詩
建畠晢「轟云々、下駄云々――緑の布に生まれてきた女」
◎作品
石牟礼道子、川口晴美、宮内憲夫、高塚謙太郎
◎連載
粟津則雄、野村喜和夫、杉本 徹、齋藤恵美子、関悦史、山田航
◎Book
平岡敏夫、暁方ミセイ、榎本櫻湖、江田浩司、笠井嗣夫、後藤美和子
◎月評
中本道代、瀬崎祐
◎新人作品
紺野とも、子猫沢るび、桜井夕也、和合大地、浅野陽、
岡本啓、山崎修平、草間小鳥子、橋本しおん
◎新人選評
石田瑞穂、福間健二

増頁特別定価1500円(税込)
思潮社 

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