一昨年、魚をモチーフにした多色刷りの銅版画に魅了されたのも、今は閉鎖されてしまった立体ギャラリー・射手座にたまたま入ったのがきっかけだったことを思うと感慨深いものがある。
今回開催されていた「ふしぎカラフル連想ゲーム」展は11人の作家がそれぞれに持ち寄った作品を1階に展示し、参加作家それぞれが気に入った他者の作品から連想して制作した作品を2階に展示するという趣向で、作家間の影響関係は天井に張り巡らされた色糸で明示されていた。
科野さんが持ち寄った作品。この銅版画の大作は、2010年9月の「記憶のカタチ」展では横置きで展示されていたのだが、その時のものとは刷りが違うようである。
これが他者からインスパイアされ制作された作品。昆虫やヒトデの遺骸と植物を組み合わせている。ピントがぼけてしまったが、写真左上にあるのは科野さんが昨夏、幼虫から育てた蛾のサナギ(抜け殻)。
その隣のテーブルにはドローイングによる新作。中央には科野さんが育て、サナギから羽化した蛾の姿が描かれている。
金子光晴の詩篇「蛾」、を連想した。
新たな銅版画制作のための準備も整ってきているそうなので、これからの展開が楽しみである。
◆「記憶のカタチ」展レヴュー(2010.9)
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