奥に設えられたプールの中では作家本人が自らの身体を、彫刻作品として展示している。
まったく動かない。微動だにしない。
ホワイトキューブでこのようなものを目にすると、まるで異次元空間に迷い込んだかのような錯覚を催す。
すると、明るさ、色彩、温度、気配、質感などを知覚する器官が、静けさの中で次第に鋭敏化していくのが感じられる。
ここでは、たやすく客体化できる対象としての彫刻と、鑑賞者の実存へと照り返す光を放つ生身の肉体との、境界認識が攪乱されざるをえない。
そしてそれは、なにか画然とした区別によって仕切られた様々な価値観の自明性に、空虚な枠組みが仮設されていることを炙り出すメタファーともなるだろう。
造形的な意匠の細部から窺える象徴性もまた、面白い。
上瀬留衣(かみせるい)さんからの“提案”である。
◆GALLERY wks.
第1週 5/14~5/19 /living sculpture 12:00-19:00
第2週 5/21~5/26 /installation 12:00-19:00
ポートフォリオから
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