2013年3月29日金曜日

田中智子 乾漆立像展「此方彼方(こなたかなた)」 於、GALLERY wks.(大阪・西天満)

ここにあるのは麻布を漆で張り重ねたり、木粉と漆を混ぜたものを盛って造形する乾漆という技法によって制作された立像ばかり。高価な漆をふんだんに使い、長い時間と膨大な労力をかけて1体の像が仕上げられる。
何かへの入り口で、門番のように佇む像たち。
どこへ通じているのか分からぬこれらの門は、誰かのためにしつらえられたように見え、その実、この前で立ちすくむ、ほかならぬ私に対して開かれたものに思えてくる。
カフカが著した「掟の門」のように。
その場所は、夢と現、意識と無意識、此岸と彼岸のあわいにあるのだろうか。


GALLERY wks. 3/11~3/30

※中国に起源を持ち、7世紀末~9世紀初頭にかけて日本で多用された彫像製作技法。東大寺三月堂の諸仏や興福寺の八部衆像などが有名。


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