いかなる美的な野心からも形而上学からも離れた、単純な、自然な、原初的な形における詩とは、息をする喜び、呼吸することの自明な幸福である。大気の物質的想像力の教えに従おうとするなら、詩の気息は隠喩であるより前に、まず詩の生命の中に見出しうる一つの現実である。そしてもしわれわれが詩の豊潤さに、叫ぶこと、つぶやくこと、朗誦することによって、おだやかに、速やかに語る楽しさのあらゆる形式にもっと注意をしたなら、信じ難いほど多くの詩的気息を発見するであろう。
◆バシュラール『空と夢』(宇佐見英治訳,法政大学出版局)358頁。
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