白く塗られた爪楊枝、素地のままの爪楊枝がフロアいっぱいに散乱するインスタレーション。
「情緒はいらない。感傷もいらない。ただそこに在る。空間と対話する。
意味を削ぎ落とす。ただそれだけでありたい。」
とは作家のコメント。だが意味を削ぎ落としても爪楊枝は爪楊枝であり、本来の用途から切り離されたそれを眺めていれば否応なしに情緒は喚び醒まされる。
舗道に堆積した針葉樹の落ち葉のように見えることもあれば、打ち棄てられた卒塔婆が山のように積まれた荒れ墓場のように見えることだってある。
制作の過程で意味性や作為性を削ぎ落とせば削ぎ落とすほど、鑑賞における自由度が増大し、見ることによって喚起されるものがゆたかになる事例なのだろう。
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2kwギャラリー 6/11~6/23
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