1㍍四方、のアクリル製水槽の中に沈められたエンジンは4ストローク・2気筒・550cc、名高いスバルの軽トラ「営農サンバー」から摘出したもの。
これを水中で運転すると泡がブクブクするわけだが、いかんせん水中である。しょっちゅうトラブルで停止する。そのたびに國府さんはせっせと手入れをし、そしてやっとまた動きだす・・・、といった調子。
一見するとその姿のベラボーさに驚きとおかしみを感じるものの、すぐさま別の異質な感情が、複数的に湧き起こる。
いつか見たSF漫画のシーンを思わせる既視感、心臓を思わせるフォルム、本来の目的から切り離され切り取られた姿の哀惜・・・
剥き出しのエンジンをみることで呼び覚まされる詩的感興の数々・・・。
國府理(こくふ・おさむ)さんの作品「水中エンジン」はエネルギー変換効率の悪さを可視化することで、現代の物質文明・経済・資本主義が不可視化してきたさまざまな問題を静かに問いかける。
そう、エンジン音やガソリン臭が刺激する嗅覚のざわめきとはうらはらに、静かに。
そこから、原発問題にまで私の話は饒舌にとりとめもなく・・・
すると、これを作るきっかけになったのは福島第一原発の過酷事故であると國府さんは言った。
作品に貫かれている強く明確なコンセプトは、会場で配布されるリーフレットにて表明されている。
◆アートスペース虹 5/22-6/3
【追記】
-------(國府理さんによるステイトメント)
「熱源」(ねつげん)とは、周囲に対し高い温度を持った地点、エネルギーの供給ポイン
冷やし続けなければ暴走してしまうエネルギーの存在、そして最先端と言われた科学技術
私は以前に「拡散するということ」をテーマにCO2Cubeというバルーンに自身所有
私はこの展示において、科学的、工業的なシステムにとどまらず、さまざまな連関によっ
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