詩人というものは、他者の性質を変化させるほどの内なる力の結合の産物であり、これらの力を刺激し、支える、外なる影響の産物なのだ。詩人は、その一方ではなく、両方なのだ。この点で、人の心は、自然や芸術という対象によって変化させられ、人がかつてその意識に働きかけることを許したすべての言葉や暗示によって変化させられる。人の心はすべてのものの姿が映る鏡だ。その鏡の中でそれらの姿が一つの姿を組み立てる。詩人は、哲学者、画家、彫刻家、音楽家と何ら異ならず、ある意味では自分の時代の創造者であり、また別の意味では被造物だ。この従属関係からは、どんな至高のものであっても免れることはない。
(P・B・シェリー『鎖を解かれたプロメテウス』序文、石川重俊訳、2003年、岩波文庫〔原書:1820年〕)
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