2011年12月23日金曜日

森村誠のアトリエ 大阪・天満橋、nm2(エヌエムスクウェア)


ガールズバーのチラシで作った“蝶”。切り抜いた女性の写真で蝶を折り、それを虫ピンで留めている。


五つの砂時計を支柱にした台の上に載せられた小型地球儀。



地球儀に印刷された文字は「a」「r」「t」「w」「o」「r」「k」を残して全て修正液で消去。

これをみて、大地の下を四頭の象が支え、その下を巨大な一匹の亀が支えるという古代インドの世界観をまずは連想した。五つの砂時計によって支えられている地球、そこから計測可能な時間の尺度=時計によって秩序づけられた現代の世界をこのオブジェが象徴しているように思えた。
だが、そのような大それた見方を促されつつも、次の瞬間、そのように解釈した己の意識が置き去りにされてしまいそうな諧謔性を感じるのも事実である。

作家によるとこれは試作品として制作したものだそうだが、“みること”によって詩的想像力を喚び醒ますオブジェとしては完成された強度をもっている。




野村ヨシノリ・森村誠・中島麦の共同アトリエnm2(エヌエムスクウェア)は12/24まで公開展示中。
http://atelier-nm2.blogspot.com/

2011年12月11日日曜日

『ART TRACE PRESS』創刊

「作品について論じられるその言葉そのものが、ひとつの作品となるような地平を構築すること、別の言い方をすれば、詩を問うこと、芸術作品を問うことそのものが、詩的・芸術的営みであるような『場所を作り出すこと』がこの雑誌の目的なのである。」
・・・イブ・ボンヌフォアやパウル・ツェランらが関わった雑誌『レフェメール』への評(桑田光平「『レフェメール』の誕生とジャコメッティ(1)」より)。

昨年の『ART CRITIQUE』に続き、先鋭的な芸術批評誌の創刊が相次いでいる。まだ全てに目を通してはいないが、桑田氏の論考に加え、郷原佳以「透明人間の肉体、あるいは、模倣と接触--アポリネールと「絵画の起源」神話」、永瀬恭一「岡本太郎を見ることの不可能性」に強く惹かれた。
創刊号の特集はジャクソン・ポロック。



http://www.arttrace.org/books/details/atpress/atpress01.html


2011年12月6日火曜日

Live meeting of POTRY & ACTION vol.004  於、ワルハラ (2011.12.3)

◆亜子米with上田大喜






ジャズベーシスト・上田大喜さんが奏でるウッドベースのリズムと詩人・亜子米さんの動きのミスマッチが散らす火花によって新たな感覚が開かれるパフォーマンス。亜子米さんはゴミ袋をひたすら切って貼り継ぐ切って貼り継ぐを繰り返し、最後は袋のトンネルを潜り抜ける。多くの人がこのトンネルを産道に見立てていた。



◆ナイスタック強力4年目(加藤笑平&菊地容作)



床にテープを貼り、メジャーを敷く。

紙に勝手な名前を書いて観客の前に置く。machi/さんは「林順子」、上田大喜さんは「小山豊男」

鼻先に昆布。

僕の靴には鹿と狼。



◆大橋範子







バケツで水を頭から少しずつかぶり、その後悶絶するパフォーマンス。最近の大橋さんは全裸パフォーマンスをやると聞いていたので脱ぐんじゃないかとドキドキしましたが、後でドキドキしたと伝えたら、「ここでは脱ぎません」と大橋さん。


◆北澤一伯



床に置かれた棍棒には詩文らしき文字が・・・。



棍棒を片手で掴み上げる。

床に無造作に投げ出された角材の一本一本には辻征夫の詩が一行ずつ書き記されている。それを並べ直して全文を朗唱。

その角材を束ね、鳥の羽根を一本ずつ挿してゆく。


床にばらまかれた丸めた粘土の上にも羽根を挿してゆく。

パフォーマンスが終わるとこのようなインスタレーションが完成。