2010年7月21日水曜日

泪橋からみたスカイツリー


先日の東京滞在では山谷で一泊しました。

2010年7月19日月曜日

野外朗読イベント「マラルメ・サイファー」於、京都三条大橋西詰

詩人仲間の佐藤雄一くん主催の朗読イベントのお知らせです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「マラルメ・サイファー」



オープンマイク野外無料朗読イベント!関東では100人近くあつまるイベント
サイファーの関西編です。


日時:7月24日(土)21:00~23:00くらい(休憩2回)延長した場合は23時30分で完全〆
場所:京都市右京区三条大橋西詰南側(最寄駅 京阪三条駅徒歩1分、市営地下鉄三条京阪駅3分、阪急河原町駅・京阪祇園四条駅から各徒歩10分)雨天決行。増水時など中止。

ルール:原則暗唱or即興(即興は3分以内を目安にお願いします)だけど、今回にかぎり紙を読むのもあり(目安として5分以内でお願いします)、現地は暗いので紙を読まれる方に懐中電灯お貸しします。ラップ、詩、短歌、俳句なんでもあり。また最初から最後まで朗読の輪にくわわっていたひとで暗唱or即興で読んでいた人に投票して(ひとり三票で記名投票)今日の桂冠詩人を決めます。

<持ち込み>食べ物、飲み物、ブルーシートなどお花見に持ってくるようなものを持ってきていただけるとありがたいです。

問合:09081703876 pour-straub-huillet【アットマーク】ezweb.ne.jp yy_sato【アットマーク】hotmail.co.jp(佐藤雄一まで)

 
画像をクリックすると拡大します

2010年7月13日火曜日

多磨霊園(府中市)

先週土曜は書物の上でしか知らなかった人々に挨拶すべく、朝から多磨霊園を散策してきました。
巨大な藪蚊が大量にいると聞いていたので、虫除けスプレーを手や首や顔にべっとりと塗ってどうにかしのいだのですが、ここの藪蚊は人間の生き血だけでこれほどまでに繁栄しているのか、他に何か食しているのか、気になるところです。蚊の他にもクモ、でかい蟻、バッタ、かたつむり、トカゲ、虻、スズメバチなどいろんな生き物がいて楽しい場所でした。


西武多摩川線、多磨駅のホーム。


多磨駅前。「日本の古本屋」サイトで何度か買ったことのあるにしがはら書店との思いがけない出会い。


多磨霊園の正門。正門を入ってまっすぐ北にのびる大通りが名誉墓域通りとよばれる、歴史上の著名な権力者、名望家たちの墓所が並ぶ通りです。


案内板。右が北。左下が正門。そこから道路が放射状に伸びています。





名誉墓域通りにある西園寺公望の墓(8区1種1側)。お隣には高橋是清の墓がありました。西園寺といえば、若い頃、中江兆民と『東洋自由新聞』というリベラル紙を主宰したり、雨声会(うせいかい)という文士たちを招いての懇話会を催すなど、風流宰相と呼ばれた人で、近代史上ユニークな位置にいますが、これからもまだまだ再評価の余地はありそうです。雨声会には森鴎外、国木田独歩、島崎藤村、永井荷風、田山花袋らが顔を出していました。




詩人・村野四郎のお墓(8区1種14側)。



20世紀最大のスパイと呼ばれたリヒャルト・ゾルゲと愛人・石井花子さんのお墓(17区1種21側)。花子さんは、処刑された後行方が分からなくなっていたゾルゲさんの遺骨を雑司ヶ谷墓地から探し出し、ここに改葬しました。ゾルゲさんの同志でアメリカ共産党員だった画家・宮城与徳さんの遺骨もここに分骨されているそうです。今でも訪れる人が少なくないことを窺わせる、とてもきれいなお墓でした。


男女二体の人形が雨よけのビニール袋にくるまれて供えられていました(画面中央下)。


墓誌「ゾルゲとその同志たち」。

ゾルゲさんの略年譜。



岡本太郎さん敏子さん、かの子さん一平さんの墓域(16区1種17側)。とてもゆかいな雰囲気でした。


太郎さん敏子さんのお墓。

左がかの子さん、右が一平さん。


川端康成が太郎さんの著書『母の手紙』に寄せた序文からの引用が刻まれた碑文。
「岡本一平、かの子、太郎の一家は、私にはなつかしい家族であるが、また日本では全くたぐい稀な家族であった。私は三人をひとりびとりとして尊敬した以上に、三人を一つの家族として尊敬した。この家族のありように私はしばしば感動し、時には讃仰した。
一平氏はかの子氏を聖観音とも見たが、そうするとこの一家は聖家族でもあろうか。あるいはそうであろうと私は思っている。家族というもの、夫婦親子という結びつきの生きようについて考える時、私はいつも必ず岡本一家を一つの手本として、一方に置く。
この三人は日本人の家族としてはまことに珍しく、お互いを高く生かし合いながら、お互いが高く生きた。深く豊かに愛し敬い合って、三人がそれぞれ成長した。
古い家族制度がこわれ、人々が家での生きように惑っている今日、岡本一家の記録は殊に尊い。この大肯定の泉は世を温めるであろう。」

岡本一家については椹木野衣による岡本太郎論、『黒い太陽と赤いカニ』(中央公論新社)に詳しいです。



北原白秋のお墓(10区1種2側)。何を隠そう、白秋は犀星とならんでぼくが詩を書くようになったきっかけを作ってくれた詩人なのです。





有島武郎夫妻の墓誌(10区1種3側)。有島さんは大正アナキズムのパトロンとしても有名ですが、心中する直前、雑誌を出すため無心に訪れた若い詩人たちに惜しまずお金と絵画を出したエピソードが印象にのこっています。その雑誌とは『赤と黒』、岡本潤、萩原恭次郎、小野十三郎らが同人でした。日本近代文学史上、有島さんは別格だと思っております。




三島由紀夫、本名・平岡公威(ひらおかきみたけ)が眠るお墓(10区1種14側)。

尾崎秀実(おざきほつみ)夫妻のお墓(10区1種13側)。

詩人・石原吉郎が眠る信濃町教会会員墓(11区1種16側)。

石原吉郎の墓誌。

右、与謝野晶子、左、与謝野鉄幹(11区1種10側)。

詩人・北川冬彦(本名・田畔忠彦)の墓(23区2種8側)。


詩人・小熊秀雄のお墓。多磨霊園の一番西の奥まったところにありました(24区1種68側)。

エノコログサとドクダミが生い茂っていましたが、最近人が訪れた痕跡がありました。ぐい呑みが伏せてあったので、誰かここで小熊さんの霊と酒を酌み交わしていたのでしょう。

線香代わりにタバコの一本でもお供えすればよかったと思いながら、何も手持ちが無いことに後悔・・・。しかたがないのでミネラルウォーターを墓碑にかけて、お経代わりに『小熊秀雄詩集』(岩波文庫)から詩を何編か読ませていただきました。

「孤独の超特急」

触ってくれるな、
さわってくれるな、
静かにしておいてくれ、
この世界一脆い
私という器物に、
批評もいらなければ
親切な介添えもいらない、
やさしい忠告も
元気な扇動も
すべてがいらない
のがれることのできない
夜がやってきたとき
私は寝なければならないから、
そこまで私の夢を
よごしにやって来てくれるな、
友よ、
ああ、なんという人なつこい
世界に住んでいながら、
君も僕も仲たがいをしたがるのだろう、
永遠につきそうもない
あらそいの中に
愛と憎しみの
ゴッタ返しの中に
唾を吐き吐き
人生の旅は
苦々しい路連れです、

生きることが
こんなに貧しく
こんなに忙しいこととは
お腹の中の
私は想像もしなかったです、
友よ、
産れてきてみれば斯くの通りです、
ただ精神のウブ毛が
僕も君もまだとれていない、
子供のように
愛すべき正義をもっている、
精神は純朴であれと叫び
生活は不純であれと叫ぶ、
私は混線してますます
感情の赤いスパークを発す、
階級闘争の
君の閑日月の
日記を見たいものだ、
私の閑日月は
焦燥と苦悶の焔で走る、
孤独の超特急だ、
帰ることのできない、
単線にのっている
もろい素焼きの
ボイラーは破裂しそうだ。

=========================


多磨霊園は最初の公立霊園なのですが現在の永代供養料は325万円、申し込んでも何十倍だかの高倍率なので今やお金をもっていても狭き門。墓石代などお墓の造営費用を計算すると、貧乏人には縁のない場所ですね。
人は死ぬとだれもが骨になって、世俗的な身分など関係ないはずなのに、お墓を構えるにはただならぬ額のお金が必要で、霊園も身分制がそのまま明示されているようなお墓の配置であることを思うと、結局、お墓とは生きている人のためにあるのだろうか・・・、などということを思いました。


今回挨拶にまわった他にも、岸田國士、菊池寛、木下木太郎、野口米次郎、豊島与志雄、田山花袋、堀辰雄、徳永直、亀井勝一郎、大岡昇平、松田瓊子、今野大力、池田亀鑑、武田祐吉、竹内好ら多くの人々が眠っているのですが、とても一日で回りきれるものではありませんでした。次はしっかりと準備をして、今回挨拶ができなかった人々のお墓にお参りしたいと思います。



 

2010年7月9日金曜日

東京に行きます

7/11(日)に開催される詩誌・詩集の展示即売会、東京ポエケットに参加すべく、金曜の夜行バスで東京に行ってきます。
新宿に着くのが土曜の朝6時半。その後、天気がそれほど悪くなければ北原白秋、有島武郎、三島由紀夫、小熊秀雄、石原吉郎、岡本太郎、リヒャルト・ゾルゲ、尾崎秀実、戸坂潤、徳田球一ら数多くの歴史的人物が眠る多磨霊園を散策する予定ですが、雨が降るのは間違いなさそうなので予定は未定です。夏目雅子さんのお墓も多磨霊園にあります。(→詳しくはサイト「名墓録」をどうぞ)
東京は局地的集中豪雨の季節なので、あまりに雨がひどかったら昼間は江戸東京博物館の常設展示でもじっくり観ることにして、夜は元気なら佐藤雄一君が代々木公園で主催する朗読イベントBottle/Exercise/Cypher vol.2に参加するかもしれません。が、これも未定。藤井貞和さんもゲスト朗読されるそうなので、久しぶりにお会いしたい気持ちが強いのですが・・・。

行き当たりばったりの旅になりそうです。

2010年7月5日月曜日

菅直人の顔

いつもいつも選挙が近づくと憂鬱さに耐えかねる日々が経巡ってきます。
窓を開けてお昼近くまで眠っている朝、ひたすら名前を連呼する邪党候補者どもの五月蠅さに安眠を破られることなどは耐え難いものがあります。

どいつもこいつも消費税を10%にするとかなんとか言ってますが、それによって増えるかにみえる税収はすべて大企業の法人税減税で相殺されるわけですから、「財政再建」を口実に今後も増税をし続けるというからくりがあるのでしょう。
いつのまにか都市銀行が合併してできたメガバンクとやらは、この10年、法人税は一円たりとも払っていません。このことはマスコミではちゃんと報道されないので候補者ですら知らないでしょうね(但し共産党はのぞく)。消費税を廃止しても、大企業の法人税率を1980年代の水準に戻すだけで随分上向きになるというのに。

その首相・菅直人の顔、ワールドカップの合間にやってたニュースで久しぶりに見たら、ヒドイ表情になってました。消費税の問題や安保問題での変節ぶりなど、地位が人を変えてしまうのでしょうか。それとももともとよこしまな素質があったればこそ、政治家になれたということでしょうか。

僕は人の顔については現象学的な関心がとても強いのですが、そんな関心などなくても皆さん、菅の顔が醜悪でよこしまな顔になってきたことには気づいていることと思います。

ほんと、あんな顔にだけはなりたくないものですね。

そういえば鷲田清一の著書に『顔の現象学』ってのがあったっけ。


今朝、うちに投函されていた怪文書。書いてることはわりとまとも!



菅の似顔絵(笑)。しっかし、ヒドイ顔・・・。