来月引っ越しをするので、この10年あまりの歳月の中で滞留した無数のモノたちの処分を日夜しています。
切なさや、懐かしさ、随分長い間想い出すこともなかった記憶がこみ上げてくる作業には半端でないエネルギーを要しますが、自分自身のあゆみを振り返るとても大切な時間になっています。
そんな中で10年以上前の手紙が数百通入った箱が押し入れの奥から出てきました。
その頃はパソコンを持っていてもインターネットに繋いでいる人は少数で、eメールなどはまだ普及していませんでした。みんな丁寧に手紙を書いていたんだということ、思えば二三日に一通くらいは必ず誰かからお便りがあって、そして僕もまめに書いていたんだなあということに今更ながら愕然としました。
懐かしい差出人の名前と、一通一通の手紙に込められた想いが、もう遥か遠くなってしまった記憶を喚起する時間に酔い痴れながら。
今でもたまには手紙を書く習慣があるはずなのに、こんな感覚、もう長らく忘れてしまっていました。
事務的な用事も友人知人への便りも、多くはeメールで済ますようになってしまったことで多くのものが失われてしまいましたが、人と人とが心で丁寧に交わる上で、気持ちを手で書き記すという行為は殊の外大きな意味をもっているのですから、これを機に反省的に考えてみようと思います。
僕から突然手紙が来ても、引かないでくださいね。
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