笠原美希さん「右も左もわからない」。ミラーに視線をやると方向感覚はおろか、平衡感覚までもが混乱する。 本当の話である。
栗棟美里さんのシリーズ「言葉無く法を説く百合」(クリスティーナ・ロセッティ「花の教」上田敏訳より)。百合の花から流れ出す気のようなもの(銀箔とパステル)は、静謐でいて、そして凛々しい。より躍動的に、より擬人的に。
http://zatsuzatsukyoyasai.blogspot.jp/2012/09/work-in-progress-2012.html
活版印刷による小さな本の群れは山崎喬彦(鳥彦)さんの作品。詩に版画が添えられている。丁寧な装幀、料紙の選定、版画の精細さ、詩文の洗練性、それらすべてが高いレベルで調和している。
「海洋漂流船 F17-1-995号 乗組員の日誌」。
「The Pilot and The Diver」。
130号の鳥の子紙にゲルインクボールペンで細密に描画した、川崎瞳さんの「反復される世界」。画面のいたるところに、指の形でシンボル化された人や動物が無数に蠢いている。ほぼオートマティスムによって描き上げられた驚異的なこの絵は、我々が生きているこの世界の鳥瞰図なのだろうか。ヒエロニムス・ボスを彷彿させる。
鹿毛倫太郎さん「よろこび」。床のマス目には、数字を象った鉄のオブジェがならぶ。この黄色い生き物にはなんか見覚えがあるなぁと思ったら・・・。
精華大のキャンパス内に打ち棄てられ、朽ちつつある、これである↓
10分間の磔状態の後、木村くんは10分間休憩をとる。期間中、これをずっと繰り返す。
春名さんといえば「男根オブジェ」というイメージが流布しているが、休憩中に閲覧できるポートフォリオをみると、マッチョなものを戯画化するという一貫した態度によってなされていることがわかる。
一貫する思想をコンセプチャルに明示したのが「命について」なのだろう。
◆2/20~2/24