2011年9月23日金曜日

『斜塔』1号、『ami.me』 



先日の東京ポエケットでは数多くの詩誌を買ったり貰ったりしたのだが、中でもとくに素晴らしかったのがこの二誌。


関口ベティさん編集による『斜塔』1号は、一夢零、黒崎水華、Marie Mariera、関口ベティの四氏による詩作品と舞踏家・吉本大輔さんへのインタビューによって構成されている。

横山絢音(よこやまあやね)さん編集による『ami.me』は短歌、自由詩、小説、そして往年のシュルレアリスト達による実験「甘美な死骸」の変奏合作詩からなっている。執筆者は吉田恭大、朱位昌併、千種創一、横山絢音、唐崎昭子(装幀・装画)の五氏。美しい装幀に目を引かれて手に取ったのがよかった。


これら両誌は一つ一つの作品の質もさることながら、詩的潜勢力への揺るぎない信頼を感じさせるその編集姿勢に強く心を打たれた。

ここに集う若い表現者達は、構成された制度と化したりそこを目指したりするものとは無縁な、つねに新しく構成され続ける力の水脈をしかとその目で見ているのだろう。

既成詩壇・歌壇などおおよそ壇とつくところに居直る手合いがその潜勢力を理解できる詩誌であるとはとうてい思えない。
彼彼女らもそんなことは承知の上かもしれないが、いかんせん若い表現者たちなので、そのようなつまらないものに患わされることなくそれぞれの道を進んでほしいものである。

詩や芸術には疎いが現代思想には多少造詣があるという人なら、ドゥルーズ=ガタリの〈リゾーム〉〈器官なき身体〉〈脱領土化〉といった概念を思い出してもいい。ここで賭けられている実践が、ニューアカ経由でDGにかぶれその後アカデミシャンとして保守化した連中どもの方便的な用法が示すものとは全く無縁であることに、直ちに気づくことだろう。

『紫陽』は終わってしまったが、このような詩誌が出現したことをとても嬉しく思う。



【問い合わせ先】
・『斜塔』・・・・・・ video_dorom◎yahoo.co.jp (◎→@)
・『ami.me』・・・・・・ ami.me.in.san◎gmail.com (◎→@)

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。