何度でも女にほれて見たが
ほれるということに際限がない
際限のないことのうるはしさ
これだけはこころのなかのものであり
誰も何もいへないさかひのものだ
けふほれてあすわかれ
あすまたほれてあさつてわかれ
毎日ほれて毎日失くする
毎日貰ひ毎日こなれてしまふ
茫茫 生きて際限もない
(犀星晩年の詩集『昨日いらつしつて下さい』〈1952年〉より)
本当にいい詩なので、そのよさを分かってくれそうな友人知人に携帯メールで送っているのですが、やはり反応は上々でした。
平易な言葉で短く綴られた中に、深い人生哲学が凝縮されています。
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