今号の編集後記では、〈不和〉を起点に〈実存〉へと至る思索を通じて〈美学的な思考の体制〉を脱構築することについて、哲学詩を書くような気持ちで書きました。優れた作品が集まり、そして満足のゆく編集が出来たことで、編集後記にはここ数年詩誌を出すという実践の中で考えていたことのエッセンスを凝縮できました。
寄稿者は第50回短歌研究新人賞の吉岡太朗(歌誌『町』同人)、オルタ界で注目を集めるオカバー店員・竹村正人(うんこ詩人)、アート界の仙人・ダダカン(糸井貫二)、大阪ダルク代表で行為芸術家の倉田めば、第33回泉鏡花文学賞の寮美千子ら錚々たる顔ぶれですが、有名無名を問わず、ここに集う異質な表現者たちの作品が群として躍動する誌面に目を落とせば、既存の美学的基準を揺さぶるようなポテンシャルを感じられるでしょう。そして今号でもっとも特筆すべきは寮さんのご尽力で奈良少年刑務所に服役中の少年の詩を掲載できたことです。
23号は自信を持ってお薦めできるクォリティです。
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寄稿者:吉岡太朗、藤井わらび、竹村正人/駄々村、志郎、ダダカン(糸井貫二)、三刀月ユキ、佐藤佳紀、金子忠政、佐藤駿司、松本タタ、倉田めば、風梨子、北山兵吉、亰彌齋、りー、あおい満月、武中光男、X、寮美千子、鈴川ゆかり
見返しの言葉:シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』より
表紙コラージュ:藤井わらび
発行:紫陽の会
A5判56頁 頒価:200円
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