2010年2月24日水曜日

ジャン=リュック・ナンシー『イメージの奥底で』より

個々のイメージは無限の意味の有限な型取りであり、無限の意味はこの型取りによってのみ、あるいはこの区別の描線によってのみ無限であることが示されるのである。諸芸術が多様性と歴史性をもち、そこにおいて様々なイメージが溢れかえっているという事態は、この尽きることのない区別に対応するものである。



ジャン=リュック・ナンシー『イメージの奥底で』(西山達也・大道寺玲央訳,2006年,以文社)より


『イメージの奥底で』は数あるナンシーの著書の中で、最も惹かれた一冊です。芸術とは何か?という問いが意識に上る時、この言葉の前半部分(命題)が不意に反復されることがよくあります。確かにナンシーはある真理を言い当てていると思うのですが、最近はこの言葉が心に浮かんだ次の瞬間、まだなにか足りないのでは?という疑問を感じるようになりました。その疑問の意味を探求することは、今後の思索の課題になりそうです。

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