思惟をねるのは
なにも思索家だけの特権じゃない
だから、おれたち大衆はどこでも
どんなつまらないものからも
適切な意味を汲み取る。
どれだけ
わけわからなくても
体をなしてなくとも
ろくでもないことでも
頭痛がしても。
男の子たちハゲチンをふせげ
女の子たちデブチンをさまたげ
がっちょんあんちょってなに語?
一丁、人類全体の
課題について考量しよう。
どうしたら卑しい心をなくすることができるだろう。
どうしたら出来心でなにかをしでかす前に
そいつをくいとめることができるだろう。
こうりょうしてみな、かわいい娘。
こうりょうしてみな、
かわいい娘、種の頭脳で。
どうしたら心のやましさをもたずに生きられよう。
どうしたら蚊のうなりのようなあの音をとめられるだろう。
不浄なことをやめられるだろう。
下手物を駆逐できるだろう。
かわいい娘の手にはあまる。
いやいや、そんなことはない。
それは恒久的人類全体の
手にあまるような課題なのである。
ところでさ、
かわいい娘、おれと
つきあって欲しい。
いいわ、
よろこんで
おつきあいしましょう。
と、いうわけでおれたちは
つきあうことになった。
やがて子もできた。
※『ラブ、アイリス、そしてライフ』(1998年,私家版)より。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。