道端に雑草が生い茂っている。
狂ったように・・・
黙(もだ)して身悶えるように
昨日までずっと降り続いた雨が、
かれらを険しく育んだのだ。
暗く垂れこめた冷たい空が、
見捨てられた児の心を毛深くした。
草むらを見つめるとき
ぼくの眼はいっとうなごむ。
その匂いを嗅ぐとき
優しい思いがたち騒ぐ。
他のだれとよりも、ぼくは、
かれらといっそう馴れ親しむだろう。
家族よりも、恋人よりも、友人よりも・・・。
なぜなら、雑草にまみれて育った
ぼくは、草の葉にこすれた
擦り傷だらけでいっぱいなんだ。
田舎育ちなんだ。
※究極Q太郎詩集『ラブ、アイリス、そしてライフ』(1998年8月刊,私家版)より。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。