2010年3月19日金曜日

「瑠璃色の戯言(るりいろのざれごと)~古楽器による西洋音楽の調べ」

直前のお知らせになりますが、3/20(土)に表題のようなコンサートに行ってきます。
まだ音楽は一部特権階級の独占物であったフランス・ルイ14世時代の宮廷音楽を古楽器によって再現するもので、コントラバス奏者の四戸さんによると弦をプレーンガット(羊の腸をなめしてねじったもの→とても高価!)に張り替えての本格的なものです。
ルイ14世といえば治世の後半期はヨーロッパ中で戦争ばっかりしていた絶対君主でしたが、前半期は文化・芸術の振興政策に力を入れた人物でした(ルイ14世本人も演劇や舞踏をやってた→バレエの起源はこのころだっけ?)。そのお陰で(?)さまざまな分野で多くの革新があったようです。迷信に篤い主治医によって歯を全部抜かれた歯抜けの君主だった彼は、背の低さから来るコンプレックスなどでハイヒールや帽子にこだわっていた(己をでかく見せるため)らしいのですが、ファッションにおいても大きな革新をもたらしたというのは面白いですね。
その時代の民衆の苦悩たるや、想像を絶するものだったでありましょうが、実は貴族たちも社交場の作法や慣行が絶対的な掟として定められていたため(民衆とは異質の)大変なストレスの中で暮らしていたようで、義理ごとや見栄っ張りで破産する者も少なくなかったようです(昔読んだノルベルト・エリアス『宮廷社会』〔法政大学出版局〕に詳しい)。そんなルイ14世時代にできた社会の様々なひずみがやがて訪れるフランス革命の伏線になっていくわけですね。
その貴族たちが享受した音楽を、じっくりと楽しみたいと思います。


会場はほぼ同じ時代に建てられた、現存する日本最古の酒蔵建築である伊丹市の旧岡田家(阪急伊丹駅から東に徒歩7分・JR伊丹駅から西に徒歩7分)。



《以下はこのイベントのサイトからの部分コピー》


るりいろのざれごと
瑠璃色の戯言
 ~ 古楽器による西洋音楽の調べ ~

2010年3月20日(土)

15時開演(14時30分開場)

伊丹市郷町館・旧岡田家住宅にて

出演: レ・リュリャーズ

北爪かおり、鈴木芳 (ソプラノ)
坂本卓也、駒木愛弓 (ヴァイオリン)
城坂さおり (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
四戸香那 (コントラバス)
小出智子 (リュート)

当日 \2,500 / 前売 \2,000

ご予約・お問い合わせは こちら までどうぞ。

主催: 伊丹市立伊丹郷町館[(財)伊丹市文化振興財団・伊丹市]
2010 早春花のフェスティバル ~三軒寺前広場・郷町の花まつり~
関西元気文化圏参加事業
後援: 同志社女子大学音楽学会≪頌啓会≫
企画: うさゆづる企画





●演奏曲目
フランス・ブルボン朝の栄華を極めたルイ14世の寵愛をうけた音楽家リュリによって書かれ、王みずからも踊り演じたバレ《戯言》をはじめ、同じくルイ14世の宮廷で活躍したヴィオール(=ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者マレによるヴィオールのための組曲、リュリに学んだヴァイオリン奏者ルベルによる2つのヴァイオリンのためのソナタ、ヴェルサイユ宮殿礼拝堂のオルガニストであったクープランによる宗教歌曲を演奏します。


J.-F.ルベル 2つのヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ第1番 イ長調

M.マレ ヴィオール曲集第5巻より、組曲イ長調

F.クープラン 聖水曜日のためのルソン・ド・テネブル

J.-B.リュリ バレ《戯言》



Jean-Ferry Rebel - 1ere sonate à III parties avec la basse continue en La majeur

Marin Marais - Suite en la majeur(Pièces de Viole du Cinquième Livre, 1725)

François Couperin - Pour le Mercredy Troisième Leçon à deux voix en Ré majeur

Jean-Baptiste Lully - Ballet de la Raillerie, LWV11

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