今日、3/30は19世紀フランスの詩人、ポール・ヴェルレーヌの誕生日です(1844年)。ヴェルレーヌはアブサンという強いお酒にはまっちゃって中毒になった詩人ですが、ランボーと並んでその象徴主義はまったく古びていないのがすごいところです。因みに、かの有名なトルストイ先生はヴェルレーヌ、ボードレールが大嫌いだったようで、以下のように酷評しています。
「ヴェルレーヌの人生観は、いじけたふしだらと自分が倫理的に無気力だという意識とその無気力の救いとなる最も卑俗なカトリックの偶像崇拝とで出来上がっている」「こういう詩人が仕事をしている社会の芸術は、人生の本気で大切な仕事ではなくて、遊びに過ぎない。遊びはどんなものでも繰り返せば飽き飽きする。飽き飽きした遊びをまたできるようにするには、何とかして、それを新しいものにしなくてはならない。」と。
酷い言い様ですね。
でも、こうも言っています。
「ボードレールとヴェルレーヌは新しい形式を考え出した。その場合、それまでにまだ使われたことのない猥褻な詳しい書き方で芸術を新しいものにした。しかも上流階級の批評家も読者もこの二人を偉い作家だと認めている。こう考えないと、ボードレール、ヴェルレーヌばかりでなくすべてデカダン派の成功は説明がつかない。」と(河野与一訳『芸術とはなにか』岩波文庫)。
歯切れ悪くも認めざるを得ない、といった感じですね。これはトルストイ先生が若かりし頃、放蕩の限りを尽くし、その後回心して高潔な思想に至り着いたという経歴からくる、なんとも落ち着けようのない複雑な感情のなせるものなのでしょうか。ともあれ、心の琴線に触れたことはたしかなのでしょうね。尊敬すべきトルストイ先生の人間的な、あまりに人間的な側面が窺えて微笑ましくもあります。
ヴェルレーヌの隣、明日3/31はロブ・ストルクの命日です(2001年)。彼は60年代にオランダ・アムステルダムを席巻したアナキスト・レヴォリューション“PROVO”の中心的活動家でした。
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