以来、ここは開かずの間となり、今は年に一度だけ公開されている。
そんな曰く付きの部屋で展示されている原田要の作品は、朽ち木に生えるキノコのような、あるいは熱帯雨林に咲く臭くて巨大な花のような、異様な風采の木彫である。
それが、やたら豪華でありながら年月を経る中でカビを纏ってしまったこの部屋との相性を、いいものにしているように思えた。
見ていると中央に穿たれた穴に吸い込まれていきそうな錯覚に陥る。
まったく違和感のない佇まい。これはテーブルか。
奥の貴賓席を臨む。
入り口扉の立派なちょうつがい。まさに蝶を連想させる。
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