穴ぼこが無数に穿たれたまま埋められることのない壁に、新作の水彩・油彩による作品群は掲げられていた。
藤川さんの作品は完璧なるホワイトキューブよりも、壁や床などに人間の営みの痕跡が残る空間での展示がよく似合う。それは、線描された円筒形、長方形、富士型、X型などの記号が作家個人の記憶と、この世界に残された様々な時代の様々な位相の記憶とを時空を超えて、そしてシンボリックに結びつけるからだろう。
「アクリル画は描かないのですか?」
と、藤川さんに質問したらこう返ってきた、
「アクリル絵具は乾くのが速すぎてついていけない。」
ギャラリー歩歩林堂(ぶぶりんどう)にて10/28まで。
【過去のレレヴュー】
「Gateway/ギャラリー白」 http://zatsuzatsukyoyasai.blogspot.com/2010/11/gateway.html
「NAPグループ展/カイナラタクシー綿町ビル」http://zatsuzatsukyoyasai.blogspot.com/2010/10/nap2010great.html
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