2010年10月29日金曜日

雑誌『ART CRITIQUE』創刊号

風の噂で聞き、創刊を楽しみにしていた批評雑誌『ART CRITIQUE』no.1が今日、届きました! 
80年代前半生まれの若い批評家たちによるゴリゴリの文章満載の誌面は相当な読み応えです。



《コンテンツ》
  序    技術/芸術としてのクリティーク
[interview]  絵画とモダン――この時代の表現の基盤を問う ――松浦寿夫さんに訊く
[art review] ・記憶が受肉する場――曺徳鉉曺(チョウ・ドッキョン)展「FLASH BACK」
        ・フラットであることの豊かさ 
            ――ヨックム・ノードストリュームの絵本 「セーラーとペッカ」      
[interview]  西宮船坂ビエンナーレ――藤井達矢ディレクターに訊く
[theory]   ・〈市場社会〉の隠された諸前提をめぐって  
          ――交換不可能性、主権、親密なるもの

特集 ネグリ/ハート『〈帝国〉』の現在
 [interview]  ネグリで何を語れるか?――市田良彦さんに訊く
 [discussion 1]―――生成する自由と恊働の未来
 [discussion 2]―――生きることの時代、死の場所はどこにあるのか?
 [book review]  ネグリ/ハート新著『コモンウェルス』

.etc

2010年10月21日刊
編集発行:ART CRITIQUE編集部 artcritique2010◎gmail.com (◎→@に)
定価:750円+税
http://artcritique1.blog29.fc2.com/

購入はこちらから↓
http://artcritique.cart.fc2.com/

第15回ニパフ・アジア・パフォーマンス・アート連続展'10

ニパフの大阪公演は今日から西成の「太子福祉館」(地下鉄動物園前7番出口)ではじまります。
会場では黒ダライ児『肉体のアナーキズム』の販売もあるそうで。

詳しくは下記HPをどうぞ。
http://nipaf.2bx.bz/

行けるかな~?

2010年10月28日木曜日

木津川アート2010 

木津川市(旧・相楽郡木津町・山城町・加茂町)の三つのエリアで11/3(祝)~11/14(日)の間、木津川アート2010「流れ その先に」というアートフェスが開催されます。


詳しくは下記HPをご覧ください。
http://www.kizugawa-art.com/
http://kizugawa-art.jugem.jp/

2010年10月27日水曜日

目玉男

昨日の奈良国際彫刻展のオープニング・パーティで、NAPの会場でもあった月吠の中谷さん(奈良前衛映画祭のスタッフ)と懇意になりました。彼は現役の舞踏家で大駱駝艦の一期生だという話もおどろきだったのですが、それよりもおどろいたというか面白かったのは1970年の大阪万博で赤軍派のコスプレをして「太陽の塔」の目玉に籠城した“目玉男”と知り合いだったっていう話でした。

2010年10月25日月曜日

奈良国際彫刻展2010

「飛鳥から奈良へ 国際彫刻展2010」という展覧会が10/26(火)~11/7(日)の日程で開催されます。
オープニングパーティは26日17時から、大乗院庭園近くの「なら和み館」にて。
詳しくは、HPをご覧ください。
http://narasculpture.web.fc2.com/

NAPで「自宅玄関」をギャラリーにしていた武田晋一さん、昨年一番楽しめたグループ展「放課後の展覧会」に出品していた宮永甲太郎さん、ふじい忠一さんらが出品します。
ほかの方はよく知らないのですが、なかなか凄そうなので期待値は充分。

2010年10月23日土曜日

ニーチェ、ワイルド、サン=シモン・・・

いまふと気づいたのですが、ダダカン先生に会いに行くべく夜行バスに乗りこんだ10/15はニーチェの誕生日(1844年)、鬼放舎初訪問の10/16はオスカー・ワイルドの誕生日(1854年)でした。そして翌10/17はサン=シモンの誕生日(1760年)、東北大学の銅像前でパフォをやった魯迅さんの命日が10/19(1936年)、10/20はランボーの誕生日(1854年)! さらにいうと明後日10/25はマックス・シュティルナーの誕生日(1806年)で、シュティルナーの翻訳で有名な辻潤の誕生日は10/4(1884年)なのでした。

なんとアナーキーな! これもモナドロジーか!? 占い師がみたらこれをどう解釈するだろう・・・。


 

2010年10月20日水曜日

「ダダカン宣言」(1961年)より

何かわけのわからない声を聞いたとか、わけのわからぬ文句を讀んだとか、花の香りをかいだとか、石につまづいたとか、手に持つているものを落としたとか、そういうような吾々平生の生活において最も普通と思われるような事柄が、ことごとくダダを爆発させるところの機会になるのである。
(中略)
ダダは論理からはいらずして、還つて論理に出るのである。

1961年 糸井貫二




※この宣言は1961年の第13回読売アンデパンダン展出品作の傍で配布されたリーフで、テキストはダダカン思想の核に坐るトリスタン・ツァラと鈴木大拙のアレンジである。(『あいだ』153号「特集:いまこそ糸井貫二」より)

2010年10月19日火曜日

ダダカン先生“鬼放舎”訪問記 (2) 2010.10.17

翌る日(10/17)、道中庵をチェックアウトし、帰り間際に少しご挨拶にお伺いするだけのつもりだったのに、先生は「お待ちしておりました」と、また様々な資料をご用意して歓待してくださったのでした。さすがにこの日は、少しお疲れの色が見えたので、昨日の長居をお詫びして、昼には辞すことにしました。




稲垣足穂の著書にも写真が紹介されています。

1970年に鬼放舎で故・羽永光利氏によって撮影された写真帳。有名な仙台路上儀「殺すな」の写真はこの時のものです。


うんこ詩人曰く「ま★こ天井ですね」。ダダカン先生は無言でニコリ。


ご家族の写真までみせていただきました。これは37歳のころの写真。元体操選手・炭鉱労働者というだけあって、鍛え抜かれた腕の筋肉はすごいですね。

名句。俳句は戦後、さる高名な俳人に師事して学んだそうですが、その俳人の名前をメモしそこねました。


プレゼントした赤い蛇の目傘でポーズを決めての一枚。本当に植物がお好きな方で、花や草木についてお話しするときのお顔はとても素敵でした。庭にはブドウの木も二種類ありました。普通に食べたブドウの種を植えたら、去年は見事な実が生ったそうです。今年は実が生らないと残念そうでした。
先生は道中庵からの帰り道、生け垣下に落ちていた椿の種をたくさん拾って僕らのために袋詰めにしてくださっていたのですが、これは“ダダカン椿”と名づけて植える予定です。


鬼放舎のお庭に生えるダダカンタンポポ。実にたくましいタンポポです。




半分燃やした一万円札五枚をメールアートにしたり、本物の株券をコラージュに使ったりといった、アーティストとしての反資本主義の身振りは、奇を衒ったものではなく、そのダダイズムと禅とが融合した純粋に内在的な思想に由来するものですが、そんな思想的な評言ではとうてい表しきれないものがありました。ダダカン先生との出会い、それは僕自らの人生経験やそこから編み出された思想にまつわる知識や語彙の抽斗にあるものなどを超越した出来事です。
そして歓待、無償の贈与、愛の精神、といった言葉をいくら並べてもおさまらない、慈愛に満ちたお人柄だけが魅力なのではありません。その所作や言動にはおかしみもゆたかにあって、とても可愛くてかっこいいおじいちゃんでもあるのです。
それらすべてをひっくるめて、えもいわれぬ崇高さを感じたのでした。
ご健康とご長寿を、心よりお祈りしたいと思います。


2010年10月18日月曜日

ダダカン先生“鬼放舎”訪問記 (1) 2010.10.16

仙台にお住まいのダダカンこと糸井貫二先生をうんこ詩人・竹村くんと二人で訪問しました。

再開発の波は鬼放舎のすぐそばまで・・・。

お庭にはコルチカムの花が僕らの訪問に合わせてくれたかのように満開でした。

90歳をお迎えになるダダカン先生は大変お元気で、数々のオブジェがならぶ名高い応接間に通してくださいました。この二年ほどの文通でそのやさしいお人柄をいろいろ想像していましたが、こちらの想像を遙かにこえる器の大きさ、聡明さです。

まずは先日の奈良アートプロム(NAP)のご報告を。

ビラやガイドマップ、それからたくさん撮った写真をプリントしてプレゼント。machi/さんや大橋範子さん、加藤笑平さんのパフォーマンスや天野伊都子さんのオブジェの写真をとくに興味深くご覧になっていました。アートをみるときのその眼差しの鋭さや笑顔には本当に魅了されます。若い表現者たちが集まって何かをするということを、根源から肯定してくださるお方です。


出たばかりの、黒ダライ児『肉体のアナーキズム』(grambooks)をご紹介くださり、ここから60年代、70年代の前衛芸術についてのお話になりました。この本は行為芸術の前衛にあったアーティストたちの詳細な記録文献で、パフォーマンスという一回性に宿命づけられた表現の性格ゆえ、これまで記録が散逸したり都市伝説化したりしがちだったものを、はじめて実証的な方法で総合的に論じたものとして、先生も高く評価されていました。760頁にもおよぶ真っ黒な大著で、巻末には詳細な年表が付いています。4200円ですが、この大冊でこの値段というのは版元の英雄的行為といえましょう。

写真や新聞・雑誌記事など当時を物語る貴重な資料は丁寧にファイリングされ、僕らがすぐに閲覧できるようご用意くださっていたのですが、それを適宜参照しながら、当時のエピソードやお部屋の中にあるオブジェやコラージュの由来などを熱く、そして楽しそうにお話くださいました。本当に胸躍るお話の展開で、あらかじめ質問事項をまとめたりしてきた僕の準備などはすべてふっとぶほど。

来訪者によるパフォーマンスの写真も。



居間に移動し、壁にあるさまざまなものについての説明を。

公安がかつて埋め込んだ盗聴器の跡。

壁には訪問客の記念サイン。椹木野衣さんのは二ヶ所ありました。

1968年、「セバスチャン」でのゼロ次元との共演(平田実撮影)。この写真下の壁の余白に僕らもサインさせていただきました。加藤好弘さんらゼロ次元のメンバーの何人かとは今でも懇ろな交流が続いているそうです。


うんこ詩人の「ダダカンさんにとってチ★ポとはなんなのでしょうか?」の質問に一瞬ニコリ。ですが、それに対する言葉による明確な答えはなく、ハサミとファッション雑誌をとりだし頁を切り取って・・・。

そしてこれまた名高いペーパーペニスをひょいひょいひょいっと鮮やかに作り上げました! 因みにこの雑誌、かの有名な高級ファッション誌『VOGUE』です。

 
黒ダライ児さんの本に。帰宅後、竹村が調べたところ、この表紙のネガ写真はダダカン先生の若き日の姿でした。

僕が着てたネグリと愉快な仲間Tシャツにも。ドゥルーズさんもさぞお喜びのことと思います。ちなみにこのTシャツの作者はダダカンTシャツの作者でもあるRLL。

その後もいろいろ歓談は続きましたが、話が少しとぎれたところで「それではこれから儀式を!」と。あの噂の裸儀!かと興奮しましたが、大変なご高齢なのでご無理をさせてはいけない、遠慮しなくては、と逡巡する暇もなく、嬉々とした表情のダダカン先生の勢いに押されてしまいまいた。そして再び応接間へ。

亀頭に赤く塗った卵の殻を装着して現れた先生、椅子に座って食紅でお腹に逆ハートを書いています。写真を公開することは出来ませんが、この後、椅子の上で三点倒立で開脚する「殺すな儀」。これで逆ハートは正ハートに。僕も袋男で応答しました。

もの凄い気迫でした。先週フランスから訪れた前衛美術研究者のブルーノ・フェルナンデス氏にも披露されたとのこと。
これをしている間は真冬でも全く寒さを感じないのだそうです。どうかご無理はなさいませんように、と申し上げたのでしたが、「これは独自の健康法なのです」と先生はニコリ。



その後、セーターに着替えた先生はダダカンケーキでおもてなしくださいました。「ダダカンケーキをつくりましょう!」と、言ったときのあの表情、とっても素敵でした。炊飯器に卵・小麦粉・砂糖などをおとしてかき混ぜ、そしてセット。


ケーキの出来るのを待っている間、ベトナム戦争に抗議して首相官邸前で焼身自殺したエスペランチスト・由比忠之進を追悼する儀式(1967年12月、新宿駅西口。松江カクの「クロハタ」グループによる)についてのお話をお伺いしました。この写真の後列左から二人目、黒ずくめでサングラスを掛け、合掌しているのがダダカン先生。

最後尾、モヒカン姿。

ただのモヒカンではなく、後ろ十字モヒカン(写真は警察による事情聴取)。この儀式のために、自宅斜向かいの床屋でこの髪型にして仙台からかけつけたそうです。その床屋(理容クサカリ)は今でも営業されています。(以上、三枚の写真は平田実『ゼロ次元 -加藤好弘と60年代』より)


ダンディです!


出来上がったダダカンケーキ。

先生が興奮気味に「今日の出来は最高!」とおっしゃったとおり、素晴らしいお味で、ひとくちひとくち味わっていただきました。

ご負担をかけてはいけないので長居はすまいと心に決めてきたのに、引き留められるままついつい長居して気がつけば夕方に。鬼放舎から徒歩5分のユースホステル「道中庵」に宿をとっているという話をすると、先生、大喜びで「道中庵まで送っていきましょう!」と。恐縮している僕に「今日はまだ外に出ていないので・・・。歩かないと衰えますから」と先生。遠方からの来訪者に、よく道中庵をお薦めするそうです。

理容クサカリ。

道中庵にはケヤキなどの大樹が多数。ダダカン先生からして何千年もの風雪に耐えてきた老樹のような方ですのに、その先生が木に手を触れその立派さを愛でる姿をみていると、まるで森の妖精が木と戯れているような印象を受けました。道中庵までの道中、本当に夕陽が綺麗で、まるでこの瞬間のためにすべてが僕らに味方してくれたかのような・・・。



道中庵玄関ホールでの記念撮影。この日は本当に奇跡のような一日でした。





(つづく) 




※写真撮影、動画撮影、それらのNet上での公開にいたるまで、すべてダダカン先生ご本人からご快諾いただいています。

袋男パフォーマンス  於、東北大学




魯迅の銅像。

2010年10月14日木曜日

奥田エイメイ 「クラゲ屋の水道配管式空間暴走術」 於、浮遊FACTORY 

NAP本編は10/11で終了しましたが、怪傑・奥田エイメイさんの浮遊FACTORYは10/15(金),10/16(土)のあと2回、工房ギャラリーの公開があります(両日ともに14時-20時)。

http://huyuu.com/index.html

エイメイさん、ただならぬ人物のようです。

僕はダダカン先生に会うため仙台に行くので、また個人的に浮遊FACTORYを訪問してみようと思います。

若狭愛「Orange -かつてのひとだった」  於、なら工藝館



なら工藝館では女性作家ばかり4人のグループ展が催されていましたが、ここでもっとも惹かれたのは若狭愛さんのオレンジを基調とした抽象画。それぞれの絵画は特定の人物をモチーフにしているそうですが、具象の溶解具合がとても印象的でした。二枚目の写真は傍らにおいてある椅子と妙にマッチしていて、若狭さんのお話を聴くまではこの絵は椅子がモチーフで、傍らの椅子はご自分で持ち込んだものとばかり思っていました。が、この椅子は工藝館の備品ということでした・・・。この展覧会も10/11で終了しています。



大石晶子展「呼び声」 於、デザインワークスタジオ



古い肖像写真をネガにして、葉っぱを印画紙にした日光写真の展覧会でした。使われた古い肖像写真にどのような意味がこめられているのか、とても興味深かったのですが、残念ながら作家不在のため取材できず・・・。(10/11で終了)



デザインワークスタジオでは11/3~反核運動家で画家の小田まゆみさんの個展がはじまります。

2010年10月12日火曜日

奈良アートプロム(NAP)閉幕に想う 

昨日(10/11)、奈良盆地約90ヶ所、200人以上のアーティストによる同時多発展覧会・奈良アートプロム(NAP)は閉幕しました。場所によってはまだ続いているのもありますが、奈良を現代アートで染めた熱い十日間でした。

期間中、六日間の休みを取り、奈良市旧市街と橿原の40ヶ所、70人以上の作品展示やパフォーマンスを見、そして300枚以上の写真を撮っただけでなく、僕自身がゲリラパフォーマンスまでやってしまうほどでした。

とにかく数を、というよりは、カイナラタクシービルやカフェsample & sample White roomなど、気に入ったところには何度も足を運び心ゆくまで過ごすという、とても贅沢な楽しみ方をするなかでいろいろなことが見え、そしていろいろなことを思索しました。

これほど多くの会場で展覧会が開催されていたので、そもそも会場すべてをしっかりと鑑賞して回ることなど不可能なことですし、展示会場や参加作家も増殖するため実行委員会ですら正確な参加人数を把握するのが不可能という、前代未聞のアートフェス。これほど会場が多いと、素晴らしいと評判の展覧会に行けなかったり、行ったら休みで閉まってた、まだ始まってなかったということも少なからずありましたが、そんなことは何ら問題ではありません。それどころか、そのようなところにこそ価値があるのだと宣言したってかまわない。
なぜなら、この奈良の各地で、創造的な活動の果実が、あるいは生成する芸術行為そのものが、この同じ時間に生起し、そしてほかならぬこの僕自身がそこに立ち会っているということ、それを想像し感じることそのものがよろこびなのですから。
そう考えると、列島の各地で、アジアの各地で、世界の各地で・・・、と想像力はどんどん広がっていきます。

今回僕は、奈良を新しい思想と批評が生まれるトポスにしよう、というNAPの基本理念に即して芸術の現場に立ち会いました。行く先々で出会いがあり、路地を歩けば誰かと出くわし、アヴァンギャルドの遙か先を行くものや芸術の限界領域をさまようもの、生活に根ざした素朴な美、そしてポップなものマヌケなものまで、異質で多様で雑多なものたちが織りなす、とてつもない生と創造のエネルギーが渦巻いていたこの十日間の出来事とその意義については、これからじっくりと深められていくことでしょう。

今ひとつだけ確実に言えることは、NAPとは未来へと投げられた出来事だ、ということでしょうか。
それは既存の、現代において芸術を、あるいは芸術家であることを可能にする条件そのものに関わる美学的基準を転換する、大きな可能性を秘めた出来事かもしれません。

実行委員やボランティアの皆さま、素晴らしい作品を制作し僕らに見せてくださった作家の皆さま、会場を提供してくださったカフェやギャラリーの皆さま、本当にありがとうございました。



今週末はNAPに大きな期待と喜びのお気持ちを寄せてくださったアート界の仙人・ダダカン(糸井貫二)先生に会いに行きます。うんこ詩人の竹村くんと二人で仙台まで。
おみやげはもちろん、NAPにまつわるいろんなモノやお話です。

2010年10月11日月曜日

中尾めぐみ展「どこか」 於、カフェsample

森の中で訪れた非現実的感覚を描写したという中尾めぐみさんの、心象風景画ともいうべき作品群。

木々が生い茂る暗い夜の森に立ち、空を見上げる。








森の風景。しかし、ここでは天地の秩序が攪乱されています。上下逆にすれば森の上に重くたちこめた灰色の空。

この作品、明け方の空を描いたものとばかり思っていました。

しかし中尾さんご本人にお話をお伺いしたところ、これは飛火野の芝生なのだと。


中尾さんはそこにある空気の温度や湿度、流れ、その息づかいを捉えることに成功しているようです。
その色遣いは重いのですが、絵をみていると、日常の雑念や煩悩が静かに消えていくような心地よい感覚に包まれました。


(この展覧会は10/17まで)