2010年10月3日日曜日

高井温子「screen b.」展(NAP参加企画) 於、PRESO STYLE

ついに奈良アートプロムが開幕しました!

初日(10/2)の午前中、まず最初に向かったのがカフェ・PRESO STYLEで催されている高井温子(たかいあつこ)さんのインスタレーションワーク「screen b.」。


あらかじめ切り抜いてストックしていた新聞の記事や広告を、もともと店内に据え付けられているガラス板に貼り付けたコラージュ作品です。店の中程にあるガラスの間仕切りを使ったこの一枚と、奥の庭とを隔てるガラス窓を使ったものがもう一枚。






裏側からみたところ。


奥の庭から。


これを、


反対側からみるとこんな感じ。反転した文字が透けて見えるということは、新聞記事の切り抜きそのままではなく・・・。

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「screen b.」の「b」とは「blue」の「b」.

ぼくらは断片化されたニュースを意識的に、あるいは無意識的に取り込みながら日々生活しているわけですが、ニュースの向こう側、コラージュされた薄い新聞紙が透す青い光の向こう側にみえるもの、それに思いをはせることをほんの少しだけ手助けしてくれるようです。

会場はギャラリーではなく、普通のカフェ。だから不特定多数の客が行き交い、また壁には他の作家の写真や絵も掲げられています。
でもそれらに埋もれることはなく、かといって強烈な自己主張が空間を支配するわけでもありません。ただ、そこに差し込む光をいつもと違うものに換え、そこを違う風景に変えるだけ。

そのたたずまいはこの上なく穏やかで、やさしいものでした。



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この展覧会は10/11(月・祝)まで。
会場は近鉄奈良駅下車、東向き通りを南に200メートルほど歩いたところにあるベーカリーカフェPRESO STYLE(営業時間は9時~19時)。


daichikenkyujo(高井温子さんのwebサイト)
http://green.ap.teacup.com/daichikenkyujo/


2 件のコメント:

  1. 高井さんの作品
    すばらしかったです。カフェ空間との相性がばっちりでした。
    新聞、マスコミの言葉というのは、美的なものと程遠いというか、真逆であるようにも思いますが、その言葉の裏側を、覗いてみれば、青い海が見えるかもしれないし、空につながっているかもしれない、そう感じさせてくれる作品でした。新聞に、というか新聞の読者にいま足りないのは想像力の青ではないでしょうか。世界を灰色にしているのは、なにも新聞社だけの責任ではないでしょう。
    その意味でこの展示は、二重の意味で他者に関心を抱かざるを得ない作品でした。なぜなら、この展示を見る際、どうしても作品の前に座っているお客さんを見つめる格好になってしまうからです。作品を見ているのであってあなたを見つめているわけではないよと言い訳しつつ、その人のことも気にせざるをえない、そんな、見るほうも見られるほうもドギマギさせられる、視線の裏返しの窓でした。

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  2. カフェなど普通のギャラリーではないスペースでの展示が多いのが特徴のNAP参加企画でも、高井さんの展示手法は見事でしたね。
    ポートフォリオも見せていただきましたが、この社会への確かな視座をお持ちの方でした。今後のご活躍を大いに期待したいところです。

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