障子の向こうに見えるのは宮地直子さんの仏画(NAP非参加)。山田さんの絵と面白い対照をなしています。
山田さんの制作の諸相を語るモノたちがアトリエからワープしてきたかのような印象を受けました。
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やなぎもとまきこさんの作品。
発掘され整備された大乗院の池を窓から眺めるひと群のオブジェと、順番待ちでできた行列。
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中島麦さんの作品。奥の茶室に展示されています。
心に焼き付いた奈良の風景の一こまを、ハガキサイズの紙に描き溜めたられたもの。これが茶室丸窓の両側に向かい合わせに二枚掛けられています。
よくみるとこの茶室をイメージしたドローイングも随所に差し込まれています。
床の間のタブローは、そのようなイメージの集積として構成されたものですが、僕にはこれが奈良盆地を描いた風景画にみえました。画面上部の緑の部分が青垣と称される盆地を囲う山並みで、西から東に鳥瞰したような。
山田さんの作品
返信削除グっときました。展示を見ていると、批評の目で見て「良い」と感じる作品と、それ以前にすでに自分にグッとくるっていう作品が、わたしにはあるのですが、山田さんの作品は後者でした。
特にスケッチブックに書かれた様々な絵。細い線の震え、未了性、はじまり、血、悲しみ、翳(かげ)、その背後にあるだろう生きることの根源的な肯定。笑顔は決してなにかを隠すためではなく、悲しみをさえ受けとめて生きていこうとする、か細い強さのように感じました。
正直、それらの絵を前にして、批評の言葉よりもまず、いいなって思いました。